
AMD RYZEN 9000 Series(画像引用元:AMDホームページ)
ネットでCPUについて調べていると、「Ryzenはやめとけ」といった表現を目にすることがあります。発熱が大きい、相性の問題が起きやすい、対応しないソフトがあるなどの指摘を見て、購入をためらった方もいるかもしれません。しかし、こうした評価の多くは旧世代のRyzenを前提とした話や、正確でない情報に基づいている場合が少なくないのが実情です。
この記事では、「Ryzenはやめとけ」と言われている理由、Ryzenの歴史、不具合の改善について解説いたします。
AMD Ryzenの歴史について
AMD Ryzenの各世代(Zenアーキテクチャ)の歴史について説明いたします。
第1世代:Zen(2017年)
2017年に第1世代Ryzen:Zen が登場しました。当時、Intelが高いシェアを持っていた中で、Ryzenは「多コア・多スレッド」「高いコストパフォーマンス」を武器に大きな注目を集めました。
第2世代:Zen+(2018年)
2018年に第2世代Ryzen:Zen+ が登場しました。第2世代Ryzen:Zen+では動作クロックや省電力性が改善されました。
第3世代:Zen 2(2019年)
2019年に第3世代Ryzen:Zen 2 が登場しました。第3世代Ryzen:Zen 2では7nmプロセスを採用し、性能と電力効率が大幅に向上しました。特にこの世代から、ゲーミング性能やクリエイティブ用途でもIntelと本格的に競合する存在となります。
第4世代:Zen 3(2020年)
2020年に第4世代Ryzen:Zen 3 が登場しました。第4世代Ryzen:Zen 3では、CPU内部構造を刷新することでIPC(1クロックあたりの処理性能)が飛躍的に向上し、ゲーム性能でも高い評価を獲得しました。
第5世代:Zen 4(2022年)
2022年に第5世代Ryzen:Zen 4 が登場しました。第5世代Ryzen:Zen 4 では、DDR5やPCIe 5.0に対応し、最新プラットフォームへ移行しました。
第6世代:Zen 5(2024年)
2024年に第6世代Ryzen:Zen 5 が登場しました。第6世代Ryzen:Zen 5 では、設計を大きく刷新し、性能効率とAI処理能力の強化が進められています。
このようにAMD Ryzenは、世代ごとに着実な進化を重ねることで、「高性能」「高効率」「価格競争力」を兼ね備えたCPUとして、市場で確固たる地位を築いてきました。
『Ryzenはやめとけ』と言われる5つの理由
「Ryzenはやめとけ」と言われている5つの理由について解説いたします。
理由1:発熱や消費電力への不安
初期のRyzenシリーズである第1世代から第2世代にかけては、Intel製CPUと比較して発熱が大きいと受け取られる場面がありました。特に小型ケースや冷却性能が十分でない環境では、CPU温度が下がりにくく、動作の安定性に影響が出ることがあり、この点が「やめとけ」と言われる理由の一つとなっています。さらに、上位モデルでは消費電力(TDP)が高めであったため、電源ユニットや冷却ファンを適切に選ばなければ、本来の性能を十分に引き出せない点も課題として挙げられてきました。
理由2:メモリやマザーボードとの相性問題
Ryzenはメモリとの相性に影響を受けやすいとされ、特に初期モデルでは動作クロックが安定しない、BIOSの更新が必要になるといった事例が報告されていました。マザーボードのチップセットやBIOSが旧バージョンのままでは、最新のCPUを正しく認識できない場合もあり、こうした点が知識の少ないユーザーにとって導入の難しさを感じさせる要因となっていました。
理由3:一部ソフト・ゲームとの最適化不足
一部のゲームや業務向けソフトウェアは、Intel製CPUを前提に最適化されているケースが多く、過去にはRyzen環境ではフレームレートが伸びにくかったり、特定の機能が不安定になったりする事例が見られました。
とくにeスポーツ系のFPSタイトルでは、Intelの方が安定して高いFPSを出しやすいと評価されることがあり、その結果「ゲーマーはIntelを選ぶべきで、Ryzenは避けた方がよい」といった印象が広まる要因となっていました。
理由4:シングルスレッド性能の弱さ
Ryzenは同時に多くの処理を行うマルチスレッド性能に優れている反面、旧世代ではIntel製CPUと比べてシングルスレッド性能が低いとされていました。そのため、単一スレッドへの依存度が高いアプリケーションや古いゲームでは性能差が表れやすく、この点も「やめとけ」と言われる要因の一つとなっていました。
理由5:内蔵GPUが搭載されないモデルが多い
Ryzenシリーズには、内蔵GPUを搭載していないCPUが多く含まれています。そのため、グラフィックボードを別途用意しなければ画面を表示できず、初心者の場合は購入後に映像が出力されないといったトラブルに直面することがありました。この仕様を十分に理解しないまま選んでしまうユーザーも一定数存在したことから、「やめとけ」といった評価が広まりやすい要因となっていました。



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