
AMD RYZEN 9000 Series(画像引用元:AMDホームページ)
パソコンを購入する時に、どのCPUを搭載したパソコンを買えばよいか、迷われた方も多いと思います。CPUの性能は、パソコンの性能を大きく左右します。
この記事では、CPUの性能を決める8つの指標と、AMD社が開発したCPU AMD Ryzenシリーズの性能を徹底比較いたします。
CPUの性能を決める8つの指標とは?
CPUの性能は、単一の要素だけで決まるものではなく、複数の性能指標を総合的に見ることが重要です。主な指標は以下のとおりです。
CPUの性能指標1:クロック周波数
CPUの性能指標の1つ目は、クロック周波数です。
クロック周波数は、CPUが1秒間に処理できる命令の回数の目安で、GHz(ギガヘルツ)で表されます。数値が高いほど処理速度は速くなる傾向がありますが、近年は周波数だけで性能差を判断することはできません。クロック周波数には、以下の2種類があります。
●ベースクロック(Base Clock)
・CPUが安定して連続動作できる最低保証の動作周波数です。
●ブーストクロック(Boost Clock)
・温度・消費電力・負荷に余裕があるときに、一時的に引き上げられる最大動作周波数です。
CPUの性能指標2:コア数
CPUの性能指標の2つ目は、コア数です。
コア数は、CPU内部にある処理装置(コア)の数です。コア数が多いほど、同時に複数の処理を並行して実行できます。動画編集や3Dレンダリングなど、マルチタスク性能に大きく影響します。
CPUの性能指標3:スレッド数
CPUの性能指標の3つ目は、スレッド数です。
スレッド数は、1つのコアが同時に扱える処理の単位です。スレッド数が多いほど、複数の作業を効率良く処理できます。論理コア数とも呼ばれます。
CPUの性能指標4:キャッシュメモリ容量
CPUの性能指標の4つ目は、キャッシュメモリです。
CPU内部にある高速な記憶領域で、L1・L2・L3キャッシュなどがあります。容量が大きいほど、メインメモリへのアクセスが減り、処理効率が向上します。
CPUの性能指標5:IPC
CPUの性能指標の5つ目は、IPCです。
IPC(Instructions Per Cycle)は、1クロックでどれだけの命令を処理できるかを示す指標です。同じ周波数でもIPCが高いCPUの方が高性能になります。
CPUの性能指標6:製造プロセス
CPUの性能指標の6つ目は、製造プロセスです。
製造プロセスは、CPUの回路の微細さを示し、nm(ナノメートル)で表されます。数値が小さいほど、省電力かつ高性能になりやすい特徴があります。
CPUの性能指標7:消費電力
CPUの性能指標の7つ目は、消費電力です。
消費電力は、CPUが発する熱量や消費電力の目安です。性能だけでなく、冷却性能や電源容量を考える上でも重要な指標です。
CPUの性能指標8:ベンチマークスコア
CPUの性能指標の8つ目は、ベンチマークスコアです。
ベンチマークスコアは、実際の処理性能を数値化した指標で、CPUの総合性能を比較する際に役立ちます。代表的なベンチマークには、Cinebenchなどがあります。
AMD Ryzenシリーズとは?
AMDのCPU「Ryzenシリーズ(ライゼンシリーズ)」は、高い処理性能と優れたコストパフォーマンスを両立した個人向けプロセッサーです。以下にAMD Ryzenシリーズの特徴について解説いたします。
AMD Ryzenシリーズの特徴
AMD Ryzenシリーズは、Ryzen 3・5・7・9に分類され、数字が大きいほどコア数や処理能力が高く、日常作業からゲーム、動画編集、3DCG制作まで幅広く対応します。
Ryzenの大きな特徴は多コア・多スレッド設計にあり、同時に多くの処理を行う作業で強みを発揮します。また、自動で動作周波数を最適化する「Precision Boost」により、負荷に応じて効率よく性能を引き出します。世代ごとに性能向上と省電力化が進み、価格と性能のバランスに優れたCPUとして高い評価を得ています。
AMD Ryzen 3の特徴
AMD Ryzen 3は、日常使い向けのエントリーモデルです。Web閲覧や文書作成、動画視聴などの軽作業を快適にこなせる性能を持ち、価格も手頃なため、初めての自作PCやサブ機に適しています。
AMD Ryzen 5の特徴
AMD Ryzen 5は、最もバランスの取れた主力モデルです。コア数と処理能力に余裕があり、普段使いに加えてゲームや軽めの動画編集も快適に行えます。コストパフォーマンスが高く、幅広いユーザーに人気があります。
AMD Ryzen 7の特徴
AMD Ryzen 7は、高性能志向のユーザー向けCPUです。多コア・多スレッド設計により、動画編集、配信、3DCG制作などの重い処理を同時に行っても安定した性能を発揮します。作業効率を重視する方に適したクラスです。
AMD Ryzen 9の特徴
AMD Ryzen 9は、Ryzenシリーズの最上位モデルです。非常に多いコア数と高い処理能力を備え、プロ向けの映像制作や開発用途、ハイエンドゲーミングなど、最高レベルの性能を求めるユーザーに向いています。
AMD Ryzenシリーズの性能比較
AMD CPU Ryzenシリーズの性能比較表を以下に示します。
今回は、コア数、スレッド数、クロック周波数(ベースクロック、ブーストクロック)、ベンチマークスコアにて性能評価を行います。
表1 AMD CPU Ryzenシリーズの性能比較表
| シリーズ | 型番 | コア数 (スレッド数) |
ベース クロック |
ブースト クロック |
参考ベンチマークスコア |
| 9000 シリーズ |
Ryzen 9 9950X3D | 16 (32) |
4.3GHz | 5.7 GHz | |
| Ryzen 9 9950X | 16 (32) |
4.3GHz | 5.7 GHz | ||
| Ryzen 9 9900X3D | 12 (24) |
4.4GHz | 5.5 GHz | ||
| Ryzen 9 9900X | 12 (24) |
4.4GHz | 5.6 GHz | ||
| Ryzen 9 9800X3D | 8 (16) |
4.7GHz | 5.2GHz | ||
| Ryzen 7 9700X | 8 (16) |
3.8GHz | 5.5 GHz | ||
| Ryzen 5 9600X | 6 (12) |
3.9GHz | 5.4 GHz | ||
| 8000G シリーズ |
Ryzen 7 8700G | 8 (16) |
4.2 GHz | 5.1 GHz | |
| Ryzen 7 8700F | 8 (16) |
4.1GHz | 5.0 GHz | ||
| Ryzen 5 8600G | 6 (12) |
4.35GHz | 5.0 GHz | ||
| Ryzen 5 8500G | 6 (12) |
3.5 GHz | 5.0 GHz | ||
| Ryzen 5 8400F | 6 (12) |
4.2GHz | 4.7 GHz | ||
| 7000 シリーズ |
Ryzen 9 7950X3D | 16 (32) |
4.2 GHz | 5.7 GHz | |
| Ryzen 9 7950X | 16 (32) |
4.5 GHz | 5.7 GHz | ||
| Ryzen 9 7900X3D | 12 (24) |
4.4 GHz | 5.6 GHz | ||
| Ryzen 9 7900X | 12 (24) |
4.7 GHz | 5.6 GHz | ||
| Ryzen 9 7900 | 12 (24) |
3.7 GHz | 5.4 GHz | ||
| Ryzen 7 7800X3D | 8 (16) |
4.2 GHz | 5.0 GHz | ||
| Ryzen 7 7700X | 8 (16) |
4.5 GHz | 5.4 GHz | ||
| Ryzen 7 7700 | 8 (16) |
3.8 GHz | 5.3 GHz | ||
| Ryzen 5 7600X | 6 (12) |
4.7 GHz | 5.3 GHz | ||
| Ryzen 5 7600 | 6 (12) |
3.8 GHz | 5.1 GHz |
まとめ

CPUの性能を決める8つの指標と、AMD社が開発したAMD Ryzenシリーズの性能比較を行いました。
AMDのCPU Ryzenシリーズ が多くのユーザーに支持されている理由は、性能と価格のバランスに優れている点にあります。
多コア・多スレッド構成を早い段階から採用し、動画編集や配信、マルチタスク処理など同時に多くの作業を行う用途で高い性能を発揮します。
また、世代を重ねるごとに処理性能と省電力性が向上しており、日常用途から高負荷作業まで安定した動作が期待できます。さらに、同価格帯の他社製品と比べて高いパフォーマンスを発揮するモデルが多く、コストパフォーマンスを重視するユーザーに選ばれやすい点も大きな魅力です。
用途や予算に応じて選びやすい幅広いラインナップも、Ryzenシリーズが支持され続ける理由といえるでしょう。


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